2016年9月

 

『シルクロード楽器の響き』に寄せてーー劉継紅

 

 月20日に北京へ行って箜篌の崔さんと練習してきました。練習後、今まで感じたことのない思いがこみ上げてきました。

 これまで私は様々な演奏スタイルの揚琴奏者、ピアニストなど、多くの方と共演してきました。しかし、二胡の伴奏楽器としては、音色の柔らかさ、無限の広がりをもった箜篌に優るものはないと思うようになりました。また、和声感については、揚琴、ピアノなどの打弦楽器よりもすぐれていると感じました。このような収穫を得て、私は興奮を抑えることができません。

 崔さんのこれまでの経歴を見ると、西洋音楽のしっかりした基礎を持っている一方で、中国の民間音楽の特徴についても熟知していることがわかります。このような方ですから、練習においては、いちいち細かく説明しなくても理解してもらえることが多く、新しい人と共演するときに何度も合わせてお互いに慣れていくような時間を使わずにすみました。このことは私にとってとてもありがたいことで、もしかしたら今回の共演で、今まで見過ごしてきた多くの重要なことを見つけることができるかもしれない、とさえ感じます。

 94日の演奏会では新しいことに挑戦しますが、自信、希望と情熱を持って演奏会を成功させたいと思います。今まで私たちを支えてくれた多くの友人たち、また、今回演奏会にいらしてくださる新しい友人たちにとっても、有意義な時間となりますよう祈っております。

 

 

 2015年6月

大阪講座を定期的に開くにあたって――劉継紅

 2015年3月講座では「良宵」と「江河水」を課題にしました。その時に私は以下のような印象を受けました。(もっとも、これは前回に限らず、どの講座でも感じることです。)

多くの方はすでにポジションチェンジとビブラートを習っておられると思いますが、ポジションチェンジとビブラートにも多くの方法があり、曲によって、また部分(小節)によって違うことをご存知でしょうか? 

ポジションチェンジについては、改めて見直していただきたいと思います。例えば、「良宵」の第22小節と第45小節のように、第3ポジションまで使い、また内弦から外弦へ移動する場合、どの指をどう使うか、テクニックはお分かりでしょうか?

ビブラートについて言えば、方法は3つあります。1. 西洋音楽のビブラート、2. 滑揉(ホワロウ)ビブラート(指を滑らせる)、3. 中国のビブラート(民間ビブラートと張鋭大師式ビブラートの2種類)です。これら3つのビブラートを知り、どの曲にどのビブラートを使うかを理解する必要があります。例えば、「江河水」と「二泉映月」では弾き方がまったくちがいます。

つまり、メロディーを弾ければそれで良いのではなく、美しく弾くことを目指していただきたいのです。

二胡の経験年数の長い方ほど上手になりたいという願望が強いと思います。でも、一足飛びに上達することは望めません。正しい方向へと努力を継続するうちに上達していくものです。私自身も五十年にわたって努力してきましたが、まだまだ努力を続けます。

例えば、2015年6月の講座の課題曲に「彩雲追月」を選んだのは、ポジションチェンジとビブラートの使い方の基礎を学んでいただくには簡単な曲のほうが良いからです。対象として、二胡がまったく初めての方から、十年ほど弾いているけれど基本からやり直したいという方まで、幅広くご参加いただけます。

また、講座に参加するにあたって、譜面をもっていなくても、これまで弾いたことがなくても、譜面を入手したり、練習したりする必要はありません。白紙の状態でご参加ください。

なお、「良宵」と「江河水」についてはいずれ改めて指導したいと思っています。

                         

 

二胡演奏家劉継紅blogもご参照ください。